神学大全第一部第十一問題第四項
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第四項

[二八六七三]第一部第十一問題第四項第一異論

第四のものについては次のように進められる。 神が最高度に一であるということはないと思われる。

なぜなら、 一というのは分割の欠如にもとづいて言われるものであるからである。 ところで、欠如は、より多く、より少なく、 ということを受容しない。 したがって、神が、 一である他のものよりもより多く一であると言われることはない。

[二八六七四]第一部第十一問題第四項第二異論

さらに、現実的にも可能的にも分割不可能であるもの、 そのようなものとしては点と単一性があるが、 それよりもより多く分割不可能であるものは何も存在しないと思われる。 ところで、ものは、それが分割不可能であればあるほど、 より多く一であると言われる。 したがって、神が、 単一性と点よりもより多く一であるということはない。

[二八六七五]第一部第十一問題第四項第三異論

さらに、本質によって善であるものは、最高度に善である。 したがって、自身の本質によって一であるものは、 最高度に一である。 ところで、 『形而上学』第四巻の中で哲学者が明らかにしているように、 いかなる存在者も自身の本質によって一である。 したがって、いかなる存在者も最高度に一である。 したがって、神が、 他の存在者よりもより多く一であるということはない。

[二八六七六]第一部第十一問題第四項反対異論

しかし反対に、ベルナルドゥスは、 「一と言われるすべてのもののうちで、 その頂点を占めているのは神の三位一体の単一性である」 と述べている。

[二八六七七]第一部第十一問題第四項主文

私は答えて言わなければならない。 一とは不可分な存在者のことであるから、 何かが最高度に一であるためには、それは最高度に存在者であり、 かつ最高度に不可分でなければならない。 ところで、神にはそれらの両方が適合する。 なぜなら、彼は、 彼に付け加わる何らかの本性によって限定されたいかなる存在も持たず、 あらゆる意味において限定されていない自存する存在それ自体である限りにおいて、 最高度に存在者であるからである。 また、すでに示されたように、 彼はあらゆる意味において単純であるから、 いかなる分割の方法によっても、 現実的にも可能的にも分割されることがない限りにおいて、 彼は最高度に不可分である。 したがって、神が最高度に一であるということは明らかである。

[二八六七八]第一部第十一問題第四項第一異論解答

したがって、 第一のものについては次のように言わなければならない。 欠如が、それ自体としては、より多く、より少なく、 ということを受容しないとしても、それと対立するものが、 より多く、より少なく、ということを受容するのに応じて、 欠如的なもの自体も、より多く、より少なく、 ということによって語られる。 したがって、何かが、より多く分割されている、 あるいは分割可能である、あるいはより少なくそうである、 あるいはまったくそうでない、ということに応じて、その何かは、 より多く一である、より少なく一である、 あるいは最高度に一であると言われる。

[二八六七九]第一部第十一問題第四項第二異論解答

第二のものについては次のように言わなければならない。 点と、数の根源である単一性は、 何らかの基体においてでなければ存在を持たないから、 最高度に存在者であるものではない。 したがって、それらのどちらも、最高度に一であるものではない。 なぜなら、付帯性と基体との間の相違を理由として、 基体は最高度に一であるものではなく、同様に、 付帯性も最高度に一であるものではないからである。

[二八六八〇]第一部第十一問題第四項第三異論解答

第三のものについては次のように言わなければならない。 いかなる存在者も自身の実体によって一であるとしても、 いかなるものの実体も、等しく単一性の原因となるわけではない。 なぜなら、 あるものの実体は多数のものから複合されているのに対して、 あるものの実体はそうではないからである。

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