神学大全第一部第三問題序言
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序言

[二八三二一]第一部第三問題序言

あるものについて、 それが存在するか否かという認識が得られたならば、 残されているのは、それが何であるかを知るために、 それがどのようなものであるかを探究することである。 しかし、神について我々が知り得ることは、 彼が何であるかではなく彼が何でないかであるから、 神について我々が考察し得ることは、 彼がどのようなものであるかではなく、むしろ、 彼がどのようなものでないかである。 したがって、考察されなければならないことは、 第一に彼はどのようなものでないか、 第二に彼は我々によってどのように認識されるか、 第三に彼はどのように名づけられるかである。

ところで、神について、 彼がどのようなものでないかを示すことは、 彼にふさわしくないもの、すなわち複合、運動、 および同様の他のものを、 彼から取り除くことによって可能となる。 したがって、第一に探究されるのは彼の単純性についてであり、 それによって彼から複合が取り除かれる。 そして、 物体的な事物においては 単純なものは不完全であり部分的であるから、 第二に探究されるのは彼の完全性についてであり、 第三は彼の無限性について、第四は普遍性について、 第五は唯一性についてである。

第一のものをめぐっては、八つのことがらが問われる。

第一に、神は物体であるか。

第二に、彼の中には形相と質料との複合があるか。

第三に、彼の中には、何性、すなわち本質あるいは本性と、 基体との複合があるか。

第四に、彼の中には本質と存在からの複合があるか。

第五に、彼の中には類と種差との複合があるか。

第六に、彼の中には基体と付帯性との複合があるか。

第七に、彼は何らかの意味で複合されたものであるか、 それともまったく単純なものであるか。

第八に、彼は他のものとの複合に入るか。

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